2012年04月30日
坂の上のオルフェーヴル:天皇賞を淀で見る
《京都競馬場で》
18頭が去ってゆくと、超過密状態だったパドックの周りからも、ほとんどの観衆は立ち去っていった。隣にいた中年男性が話しかけてきた。
「パドックの中に、たくさんの人がいましたが、あれは何ですか」
「ああ、あれは出走する馬の馬主関係者です」
「調教師だと思っていました」
「馬主関係者ということで、調教師もいますよ。でも、子供もいたように馬主の家族や知り合いたちですな、主に。来年はあっちの方でパドックを見られては」
「ご冗談を。‥‥ところで、18番、どう思いました」
「ケチをつけるところはどこにもなかったですね」
「そうですよね」
その通りだ。パドックを見て、オルフェーヴルに問題点を見出すことはなかった。それどころか、外側をテンポよく周回する姿は好調そのものに思われた。それに続くのがトーセンジョーダン。おとなしすぎるとも見えるフェイトフルウォーだが、ある種の雰囲気があった。
すべてのレースが終わり、京阪淀駅ホームで帰りの電車を待っていた。フイと目をむけると、ちょうど4コーナー手前のコースが正面に見える位置だった。4メートルの高低差のはずだが、思いのほかの急勾配である。なるほど、この坂から直線になだれこんだ先行馬を捕らえるのは簡単なことではない。スピードを出しすぎると、逸走する可能性も十分あり得る。4コーナーで馬群の内側がスポッと開くのも道理だ。
きれいすぎる新しい淀駅に違和感があるが、高架駅になったおかげで、思わぬ発見をした。できれば、この日、淀駅に降り立ったときに気がついていれば、違った買い方をしていたかもしれない。いや、それは無理な相談だ。パドックのオルフェーヴルに文句をつける筋合いはどこにもなかったのだから。
Posted by とろさぶりん at 08:48│Comments(0)
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